10月、内定0だった私が就活で直したところ~エントリーシート(ES)編~
10月1日、世間では内定式が開催される頃です。大学にスーツで来ている友達や、「内定式どんな感じだった?」「懇親会みたいなのやった?」みたいな話が聞こえてきます。
さて、そんな時期になっても内定が0だった私。それまでの就活では面接も何十社とやったけど、ES時点で倍くらいの企業から落とされていました。
さすがに進路がないのはいけないと焦り始めた私は「まずはESが突破する数を上げよう」と、就活エージェントや大学の就職課に相談したり、大学の先輩のESを読んだりなど自分なりに試行錯誤してみました。
結果10月以降の就活でES時点で落とされるということが格段に減りました。その際気付いたことやESを書く上で意識するべきことを書いておきます。
結論
ESは「"誰が読んでもスッと入って"、"嫌な気分にならない"もの」「わかりやすく、伝わりやすいもの」を目指しましょう。なぜならESは無難や普通でも良いから。
この記事はこんな人におすすめ
@就職活動を控えている人
@就活生
@ESの書き方がわからない人
@書類選考が突破できなくて悩んでいる人
@10月まで内定が出ていない私
1.内容編
ひとつの欄にひとつの話題
就活生が陥りがちなミスは
「あれも書きたい! これも書きたい!」
「面接官にウケがいい要素をたくさん書いとこう!」
と考えてしまうことです。
大学指定のESを見てみましょう。
「学生時代に力を入れたこととそこから学んだことは?」「自己PR」「志望動機」など複数記入欄がありますね。しかし、文を書くスペースは1行40~45文字×3~4行くらいです。いくらその8割を埋めるといっても、文字数は150文字前後に収まります。
いまいちピンとこないかもしれませんが、この文字数は少ないです。
なぜならひとつのお話を1から10までを記載しなければいけないためです。「学生時代に力を入れたこととそこから学んだこと」について書くとすると、最低限でも「力を入れたこと」と「そこから学んだこと」について150文字くらいで記述しなければなりません。
書くなら、そのなかでも具体的なひとつのエピソードを取り出して1から10までを記述することがいっぱしの就活生、スタートラインに立つ上で大切です。
目立つエピソードはいらない
私のような就活生が悩みのひとつは、「ボランティアもサークルもバイトも特に何もしてない……」「人事の目に留まるようなこと書かないといけないのでは……」というものです。
よっぽどがない限りそんなことでESは落とされません。理由はふたつ。
1.就活は滅多なことがない限り減点方式のため、エピソードが普通、という理由では減点されるに値しない。
2.企業が欲しているのは「他と比べて凄い学生」ではなく「会社で一緒に働いてくれる人」
起業しました!ボランティア!部活で全国! 大いに結構、凄いことです。しかし彼らしか採用されないわけではありません。聞きやすい話題がひとつある、くらいのものです。
企業からしたら就活生なんて「社会人じゃない子たち」でしかないので、ほとんどの学生は五十歩百歩です。ESの段階で就活生同士の差を大きくつけるなんてこと、貴方が行きたい企業はしません。就活サイトの選考突破ESやアドバイザー、そして自分の経験を踏まえてそんなことはないとはっきり言えます。
自分の周りのこと、がんばったことについて細かく伝えれば、派手なエピソードにも負けず劣らずのものが書き上げられるでしょう。
嘘は書かない
嘘を書かず、素直に自分の経験したこと、感じたことを書きましょう。
ひとつはそちらのほうが読む人に伝わりやすいからです。小説家じゃないんだから、フィクションをリアルに書くより現実をリアルに書いたほうが伝わります。
もうひとつは、嘘を書くと面接がやりづらくなります。ESを突破したとして、次の選考では面接官はそれを読んで質問を考えたり、お話をします。そこで嘘を書いてしまったら突っ込まれた際の対応だったりを固めておかないとギクシャクする羽目になります。
ゴールは書類選考突破ではなくて面接もクリアすることです。ESのどこを聞かれても、自分のことだから冷静に話すことができる。そっちの方が自分の枷にならなくていいです。
嘘を書かなくても書類は通ります。人並みな書類でも却って人事や面接官も想像がしやすく選考もスムーズに行くというものです。大それた話も、たくさんの要素も不要なので素直なESを作成してみましょう。
ちなみに私は嘘の内容を書いていたら、ずばりそこについて面接官に問われて作り話を披露するハメになりました。しかも落ちました。聞いた話によると、嘘だったりを書くとESの一貫性がなくなり、その部分が浮いて見えるそうです。今考えたら本当にもったいない。
2.書き方編
ESを書く上で大切なのは わかりやすく、伝わりやすいこと。
私みたいな内定なし夫はESの書き方を調べもせず、「俺、文才あるから」とかぬかしやがりますが、それは間違いです。むしろ書類選考については書き方を知っておかないといけません。ESの評価されるポイントは内容ではなくて書き方だからです。
ESの内容は無難くらいでも通ります、書類を読む人の独断で「このエピソードはダメだな」とか振り分けられないためです。なので、ほとんどの人が共通してもてる判断基準の「書き方の評価」で書類の合否を決めるケースが大半です。
面接がスムーズに行くように、誰が読んでも同じ印象を受けるESを目指すとよいかもしれません。書き方で内容を誰にでも伝えられる、誰が読んでも同じ印象を受けるものを仕上げましょう。その点が書類選考突破の評価ポイントになります。
ひとことアドバイスを添えるなら、面接官はろくに物を考えられないバカだ、くらいの気持ちで書いてやるのが丁度いいかもしれません。
道筋を立てる
まず意識したいのは話の道筋。
小説や物語では起承転結といわれることが多いですが、ESや就活のシーンでは違います。見本だといわれるのは「結論」→「理由/背景」→「結果」という順序ですね。
結論は簡潔なまとめです、一問一答気分で書きましょう。「学生時代に頑張ったことは?」と聞かれたら「ボランティア活動です。」「部活動です。(部活動のどの場面か、というところまで書きましょう)」「研究活動です。」「交友関係です」などなど、一言程度で書いちゃいましょう。
理由/背景は結論について掘り下げる内容ですね、なぜその結論を書いたのか、理由やきっかけ・問題意識などを書いてみましょう。分量を割いてもいいので自分なりの意識を書きましょう。
結果は先の結論、理由/背景を踏まえたうえで自分は何を得たのか、感じたのか。ということを書きましょう。
「理由/背景」「結論」「結果」といった要素をはじめから最後までを説明してあげないと人事やESを読む人には伝わりません。伝わらない文章が書かれたESから落とすという手法が取られていることが多いです。
なので記述の内容は、順序立てしておきましょう。「結論(行動/物事)」→「背景/理由」→「結果(行動した結果どうなったか/どんなことを学んだか)」の順番で説明するとよいでしょう。
数字やデータで具体的に
ESでありがちなミスが曖昧な表現をしてしまうことです。面接官はかなり気にします、ESの評価ポイントのひとつです。
「たくさん」「色々」などの副詞/形容詞はもちろん、「頑張りました」「行動しました」などの大雑把なことばは減点対象になります。
「ゼミや部活の規模はどのくらい? 何人所属しているの?」「部活を頑張った? 何かの大会で優勝したの? それとも、1回戦落ちでも何かを学んだの?」「行動した、と書いてあるがどんなアクションをしたのか」などの疑問を浮かばせてしまうし、ESの評価をする人は大体ものを考えることをしたくない(人気企業ならESの数も果てしない)ので、書き方でお祈りされる方が実際のところ多いでしょう。
私も就活エージェントでESの添削をしていただいたときには、この点を真っ先に指摘されました。数字やデータは書きましょう。ゼミ長をやっていたならゼミは何人だったか、などですね。
わかりやすく簡潔に
ESの内容・書き方は「わかりやすく、簡潔」なものにしましょう。
はっきりいいますが、ESを読む人たちはバカです。正確に言えば「バカでも読めるESは減点されません」
曖昧な表現だけでなく、難しいことばや言い回しを避け、ひとつの文はなるべく短く書き上げて「一文一意(ひとつの文にはひとつの意味だけ)」をこころがけましょう。
↑の文はその意図に反していますね。書くならふたつの文に分けてよさそうです。
・曖昧な表現、難しいことばや言い回しを避けましょう。
・一文一意をこころがけ、ひとつの文をコンパクトにしましょう。
といった具合ですかね。
「、(読点)」もひとつの文に1、多くても2回くらいに留めましょう。
~ですが、~でしたが、のように一文の中で意味を変える場合、大きく変わってしまうのは読む人の負担になります。その場合は「――。 しかし」のように文ごと区切ってしまった方が効果的でしょう。
3.言葉遣い編
内容、書き方ときたのでついでに言葉遣いくらいも軽く確認していきましょう。
面接では「御社」、ESでは「貴社」
こちらはよく指摘される内容ですね。
学生自体あまり聞き馴染みがないですし、就活が始まると「御社」ばかり耳にするのでついついESにも書いてしまいそうになりますが「御社」は話し言葉、書き言葉では「貴社」です。
話し言葉、書き言葉については一度調べてみてもよいかもしれません。
一人称や重複したことばを使わない
ミスというほどのものではありませんが、聞かれている内容を改めて自分で書く必要はありません。
「学生時代に力を入れたことはなんですか?」に対し
「私が学生時代に力を入れたのは○○です」みたいに書く必要ありません。
貴方に質問をしているのですから、答える貴方が「私は~」なんて記述する必要ありません。オウム返しや重複した言葉は会話では気になりませんが、文章では引っかかるポイントになってしまいます。
「1+1の答えは何ですか?」
「1+1の答えは 2 です」
「2です」
後者のほうが綺麗ですよね。
文章として冗長になってしまいますし意味も薄くなってしまいますので、まとまりや綺麗さを意識してみるといいですね。
「バイト」ではなく「アルバイト」
ESや面接などの就活シーンでは略語を避けるのがセオリーです。
バイトではなくアルバイト、学祭ではなく学園祭、ゼミではなくゼミナール、など案外意識しないと見落としてしまうものも多いため頭の隅には考えておきましょう。
資格の欄でも、運転免許は普通自動車運転免許、漢検は日本漢字能力検定、など略さずに書くのが一般的です。
「ですます」調、「である」調はどちらかに統一する
文の最後を丁寧語で終わらせる「ですます」調、と断定の形で終わらせる「である」調、とで迷う方もいると思います。
丁寧語のほうがやわらかい印象を与えそうで好ましいように思われますが、調べたところどちらでもよいようです。ただし、どちらか一方に統一することは大切なようです。「資格」「趣味・特技」欄などの列挙形式の欄以外はどちらか好きなほう、書きやすいほうで統一して記述しましょう。
「思いました」恐怖症の貴方へ
ESの語尾ってどうするのか悩みます。「思いました」「感じました」などでよいのか、あるいはすべての欄がこれで〆られていていいのか、と。あまりに多いと審査する人に目をつけられることになるでしょう。私の場合は、「学びました」や「実感しました」などのことばを用いました。
また、自己PRの欄ではそうした表現は避けるようにしました。「○○の経験で培ったスキルを活かせると思います。以上が貴社を志望する理由です」ではなく「○○のスキルは業務の上でも活かせます。以上が貴社を志望する理由です」のように断定してみたり、「確信しています」などのことばを使ってみてもいいでしょう。
それではみなさん、よいESを。
内定なし夫でした。